ハードにエイジング加工したデニム着物のサンプルが仕上がってきました。 先日の大阪堺にて開催された職人技のイベント「krafka」にて初展示をし、大変好評価を頂きました。実は、このエイジングには一つのストーリーがあるのです。
| 個性が柄になる
従来着物とは、汚れたら洗いに出すという流れが一般的ですが、今回のデニム着物においては「汚れも柄である」と考えました。 時間経過による汚れやスレは、持ち主が自ら作り上げた柄であり唯一無二なもの。 また、色褪せていくと同時に体に馴染む感覚を持つことでしょう。デニム生地であれば、持ち主が個性を出すことを現実にしてくれると思ったのです。
| エイジングのテーマ
エイジングとは、経年による美化だと考えています。
このエイジング加工において出したテーマは、もし船大工の作業着がデニム着物だったら、と。着用者の動き・癖、そして作業に必要な薬品などによって経年美化の様が変わるでしょう。同じ体勢で作業をしていたら一箇所が擦れるでしょうし、また汚れたら丸めて洗濯機に入れるでしょう。日々の生活の中で着物がどのように親和性を持つかの一つの実験と言っても過言ではありません。
| 育まれる愛着
まずは、できるだけ着てもらうことが大切です。 自分用に育てるには、まず着物に袖を通すことが必要です。「自分好みに育てたい」という気持ちが、自ずと着物を着るという習慣に結びつくことができればと考えています。
| 今後の展開
このサンプルは、3月7日から9日までホテルカンラ京都にて開催される展示販売会「DIALOGUE」に出品する商品のために製作されたものです。 ここに出品するデニム着物のブランドを作りました。その名は、「saigetsu」。 歳月を経て変わりゆくもの、それは劣化ではなく徐々に美しさを増す。まさに、石灯篭に苔がつき落ち着きを増していくように。このデニム着物も、意図的に経年美化を7段階のエイジング加工で表現し、会場において展示受注販売を致します。また会場は数名の異業種の職人により装飾されますので、歳月(saigetsu)を展示会場全体で感じてもらえたら幸いです。
・saigetsu オフィシャルサイト
→ https://saigetsu.shopinfo.jp
・DAIALOGUE
→ http://kougeinow.com
・krafka
→ https://www.facebook.com/events/
324009108402856/
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